「なるほどデザイン」読んでみた

こんにちは、決済認証システム開発事業部でデザイナーをしております黒田です。 本投稿は TECOTEC Advent Calendar 2022 の13日目の記事です。

今回は、デザイン本の中でも評価が高い「なるほどデザイン」のお勧めするポイントや理由、読んでみた感想を共有させていただきます。

なるほどデザイン 目で見て楽しむデザインの本。

なるほどデザイン表紙

全体の感想

まず最初の感想としては、とても読みやすい本でした。
全体的に図やイラストをメインで見せ、補足としてテキスト説明があるので、とても読みやすく、最後までスラスラ読めるような書籍となっていました。
他にも、ユーモアのある文章やデザインの基礎や構成の仕方などを他の例えを出して説明している点など、要所要所で本を読みやすくしている工夫が感じられました。
豊富なイラスト、図、写真をメインで見せて、直感的に読者がデザインについて理解しやすい構造となっており、まさに「なるほど!」と思うような内容がたくさんあります。
読み手のことを考えたうえでの本の構成・デザインは、さすが評価が高いデザイン本だという印象を受けました。

※『なるほどデザイン』p.10から引用

この本をおすすめしたい人

この本はとてもためになるデザインの知識やテクニックが多く記載されていますので、現役のデザイナー・駆け出しデザイナーの方にもおすすめですが、非デザイナーやこれからデザイナーを目指す方、デザインに興味はあるが全くわからないという方に強くおすすめできる本だと思います。
よく「デザインはセンス」「デザインのアイディアが全然浮かばない」という声を聞きますが、1つ1つのデザインには全て理由があり、知識があればある程度デザインを理解することができると私は考えています。
この本では、デザインの構成の仕方や手順、デザインのテクニックやコツ、アイディアの出し方などを豊富なイラスト、図、写真などで主に説明しているため、直感的にデザインを理解することができます。デザイン初心者でもこの本を読むだけでデザインに対する理解度はかなり向上するかと思います。

項目ごとのポイント

この本の3つの大項目について、私なりの良かった点、ポイントを下記にまとめました。
目次のChapter1~3の項目になります。

1. 編集×デザイン

最初の項目のChapter1は「編集×デザイン」です。
※『なるほどデザイン』p.7から引用

こちらの項目では、簡単にまとめると「どのようにデザインを考え、制作するか」という内容になっています。
デザイン制作において、大事なことは最初に「コンセプト」を明確にすることだと私は考えています。コンセプトを明確にすると、ターゲット・内容・目的・手段を決めることができます。これらの項目があやふやだと、デザインが定まらず、何を伝えたいかわからないデザインになってしまいます。逆に言うと、最初の土台のコンセプトがしっかりしていると、いいデザインがイメージしやすくなります。

この本のChapter1では、コンセプトの違いによるそれぞれのデザインパターンを例として見せることで、コンセプトごとに良い点・悪い点を1つ1つわかりやすく説明しています。
実際のページデザインをサンプルとして見せて、直感的に読者の中で「このデザインはイケてる・イケていない」を考えさせ、その理由を答え合わせのようにテキストでわかりやすく記載してあるため、内容が頭に入ってきやすい構造となっています。

※『なるほどデザイン』p.38から引用

また、デザインの構成の手順も記載してあるため、いざデザイン制作するとなったときに、どのように始めればよいか明確になっています。

2. デザイナーの7つ道具

Chapter2では、実際に使えるデザインのテクニックが紹介されています。
※『なるほどデザイン』p.41から引用

項目としては、下記の7つ紹介されています。

  • ダイジ度天秤

  • スポットライト

  • 擬人化力

  • 連想力

  • 翻訳機

  • 虫めがね

どれも印象的な項目名ですね。どの項目もコンセプトやデザインを制作するときに役立つ情報が多いです。 例えば、要素の優先度についてや、目立たせたい要素の強調の仕方、連想の仕方を順を追って説明することでアイディア・デザインイメージがしやすくなること、ユーザーに伝わりやすいデザインのコツなど参考になるテクニックや知識が多く紹介されています。
こちらの項目も、紹介したテクニックを用いたデザインパターンをサンプルとして大きく見せてくれているので、言葉の説明がなくとも、読者が直感的に「これはいいデザイン」と理解しやすい構造になっています。

※『なるほどデザイン』p.88から引用 連想力の項目

3. デザインの素

最後のChapter3では、文字・言葉・色・写真・グラフ、チャートについて、それぞれどのようにデザインに影響を及ぼすか記載されてあります。
※『なるほどデザイン』p.127から引用

これらの全ての要素は、1つ1つデザインの印象に関わる項目になっており、それぞれ深堀りして説明されているので個人的には満足度が高い内容となっていました。

例えば、色の配色や種類だけでも、ユーザーにそれぞれ異なるイメージを印象付けることができます。赤色は「情熱」「危険」などのイメージ、青色は「清潔」「誠実」などといったイメージがあります。色それぞれのイメージに加え、色の配色によって、サイトやアプリのイメージが大きく変わります。
例えば、清潔感のあるコーポレートサイトの配色は青、白、灰色、高級感のある男性向けのサイトの配色は黒、グレー、ゴールドなど、テーマによって適した配色は存在します。
Chapter3では、文字・言葉・色・写真・グラフ、チャートによるイメージの印象について深堀して説明されています。

まとめ

とにかく読みやすくて内容が入ってくる本でした。私としても役に立つ知識や実践できそうな箇所など多々ありました。
非デザイナーの方も「へえ~」「そうだったんだ」と思う箇所が盛りだくさんの本なので、とてもおすすめです。この本を読むだけでデザインに対する意識や理解がかなり向上できると思います。業務での資料作成やちょっとしたデザインの提案にも役立つと思います。

私もこの本で得た知識をデザインに取り入れて、「いいデザイン!」と多くの方に思っていただけるようなデザインを制作できるよう精進したいと思います。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。

参考
書籍『なるほどデザイン』
MDNbooks公式サイト
なるほどデザイン|株式会社エムディエヌコーポレーション

tecotec.co.jp