システム開発第二事業部の冨永です。
主にiOS/iPadアプリの開発を担当しております。
前回は、企画が3つ走る中での「人集め」という課題に直面した話をしました。
気づいたら、運営用のアプリ、まだ1ミリも作っていないのでは!?という悲鳴を上げていましたが——
いよいよ、その運営用アプリを作り始めることになったのです。
目次
- 目次
- キックオフで機能を固める
- スコープ決定で迷走する
- 強力な助っ人登場!!社内デザイナーを召喚!!
- ペルソナ。それは何か。
- インタビューを実施する
- ペルソナを作る
- ジャーニーマップで流れを見える化
- スコープが見えてきた
- ペルソナなしでは設計できないことを知る。
- おわりに
- テコテックの採用活動について
キックオフで機能を固める
運営メンバーで集まって、「では、このアプリ、何を作るのか」という話をしました。
「アイデアの投稿ができて、それをシェアしたり、コメントしたり、リアクションできるようなアプリにしたい」
というのが基本的なコンセプトでした。
つまり、コンテストに参加したいけど「アイデアがない」「実装力がない」という人たちが、
このアプリを通じて、互いのアイデアをインスパイアし合える環境を作る。
そういう想いが込められていました。
より具体的には、
- アイデアの投稿
- アイデアの引用・リアクション
- チーム募集
- コメント機能
- etc...
といった機能を出していく予定でした。
キックオフの段階では、「大体こんな感じで作ろう」という雰囲気ができました。

スコープ決定で迷走する
ですが、ここからが問題です。
「いつまでに、どの機能を出すのか?」
という質問が出た時点で、運営メンバーの中で意見が分かれ始めました。
「3月のコンテスト開始までに間に合わせたい」という強い想いはあります。
ですが、「全部の機能を作るのは無理」というのも自明の理です。
「では、最小限必要な機能は何か?」
「どのタイミングで、どの機能を出すのか?」
という問いに直面しました。
同時に、デザインもまだ決まっていません。
「こういう雰囲気のUIにしたい」という漠然としたイメージはあるのですが、
実装に落とし込む段階で、「どんな画面構成にするのか」「どんなフローにするのか」が定まっていないのです。
当初、DDDを元にユースケース図、システム関連図、機能一覧、オブジェクト図まで出したのですが、
「あ、これ、なんか根本を詰めないと進まないな……」
という空気が運営メンバーの中に漂い始めました。

強力な助っ人登場!!社内デザイナーを召喚!!
ここで、僕たちは決断を下しました。
「社内の仲の良いデザイナーの力を借りよう。」
社内のデザイナーに相談して、意見をもらうことにしたのです。
デザイナーに助言をもらった結果——
「ペルソナとジャーニーマップを作ったらいいですよ。」
という提案を受けました。
ペルソナ。それは何か。
ペルソナ。
エンジニアの僕たちには、ちょっと聞き慣れないワードです。
「つまり、どういうユーザーを想定するか、ということか……」
そのくらいの理解でした。
ですが、デザイナーの言葉を借りると、
「ペルソナが決まると、何を作るべきか、どの機能を優先するべきか、が見えてくる。」
とのこと。
なるほど。
つまり、「ユーザーは誰なのか」「そのユーザーはいつ、どこで、どんなシーンで使うのか」
を詳しく考えることで、本当に必要な機能が見えるということですね。
インタビューを実施する
ペルソナを作るには、実際のユーザーの声を聞く必要があります。
運営メンバーで話し合うだけでなく、
社内でコンテスト参加を考えている人たちに、インタビューを実施することにしました。
デザイナーにも協力してもらい、デザイナー自身が参加者としての立場でインタビューをしてみました。
その中で、特に印象的だったのが、
「アイデアはあるんですけど、実装力がなくて……」
「案件が忙しくて、時間が作れるか不安です」
「ですが、もしチームでやれるなら、一緒にやってくれる人が見つかるなら、参加したいです」
「Slackで個別に連絡するのって、ちょっと敷居が高い。アプリで気軽に意思表示できたら嬉しいんですけど」
——これらの声が、まさにこのアプリが解決すべき課題だったのです。
「同じ目的の人を見つけやすくする」
「アイデアをシェアしやすい環境」
そういったポイントが、インタビューを通じて鮮明に見えてきました。
ペルソナを作る
インタビューの内容を踏まえて、デザイナーと一緒にペルソナを作成することにしました。
社内の平均年齢が31歳の男性ITエンジニアということを踏まえながら、
「アイデアが思いつかない人」「実装力がない人」「時間が限られている人」
といった属性を持つペルソナを設定したのです。
その際、僕たちはChatGPT(AI)の力を借りました。
インタビュー内容と要件をプロンプトとして投げて、詳細なペルソナを生成してもらったのです。
あなたはプロのWebアプリとネイティブアプリに精通したUIUXデザイナーです。 3月に開催予定の社内アプリコンテストに向けて、 アイデアの質を高めることを目的とした、 「アイデア投稿・シェア・インスパイアプラットフォーム」を作りたいと考えています。 メインターゲット:200人規模の中小企業のITエンジニア。 コンテストに出たいが、アイデアがなくて困っている人、 アイデアがあるが、実装力がない人。 インタビュー内容: ・興味はあるが、アイデアが思いつかない ・案件が忙しくて、参加しづらい ・時間が作れれば、やれる ・やるならチームでやりたい ・同じ熱量の人を見つけるのが大変 ・気軽に目的を共有できるといい ・リモート主体なので、Slackより手軽に使えるアプリが嬉しい このインタビュー内容を踏まえて、詳細なペルソナを作成してほしい。
このプロンプトを投げることで、
より詳細で、実装に落とし込みやすいペルソナが生成されました。

ジャーニーマップで流れを見える化
ペルソナが決まったら、次はジャーニーマップです。
ペルソナが「いつ、どこで、何をするのか」という一連の流れを見える化することで、
どの瞬間にどの機能が必要なのか、が明確になるのです。
「コンテスト参加を決めた」
「アイデアを思いつく」
「アプリで他のアイデアを見てインスパイアされる」
「自分のアイデアを投稿する」
「同じ目的の人をアプリで見つけてチームを組む」
「開発を進める」
——こういった一連の流れを、タイムラインで整理したのです。
各ステップで、ペルソナが何を考えていて、どんなペインを感じているのか、
そして、アプリがどう解決するのかを整理していきました。
ジャーニーマップは見やすいようにHTMLの形式でビジュアライズして、わかりやすく出力してもらいました。

スコープが見えてきた
ペルソナとジャーニーマップが完成すると——
不思議なことに、やるべきことが見えてきました。
「最初にMVP(最小限の機能)として必要なのは、この3つだ」
という優先順位がハッキリしたのです。
「この機能は1月の告知までに必須」
「この機能は第2フェーズである開発合宿前までに追加」
「この機能は後回しで」」
という段取りが、ぼんやりから明確になったのです。
スコープが決まると——
「では、デザインを詰めよう」
「では、技術スタックを決めよう」
という次のステップがだんだんと見えてきました。
そして、ユースケース図、ドメインモデル図も着々と作成できました。


ペルソナなしでは設計できないことを知る。
この一連の過程を通じて、
「ペルソナなしで、良いプロダクトは作れない。」
ということを学びました。
日頃の受託開発などの業務だとお客様の方で仕様を詰めていただくことが多く、
エンジニアの立場からすると、「機能」や「スペック」、「実現方法」をまずは考えてしまいがちです。
「こうすれば実現できるな」
「こういう機能があったら便利」
「こんな画面があったらいいな」
という感じで。
ですが、本当に大事なのは、
「誰のために作るのか」「その人が何に困っているのか」「その課題をどう解決するのか」
という、ユーザー中心の考え方なのかもしれません。
デザイナーのアドバイスがなければ、
僕たちは漫然と「あれもこれも作ろう」という方向に進んでいたかもしれません。
おわりに
人集めで学んだのは「人同士の熱が大事」ということ。
そして、ペルソナ・ジャーニーマップで学んだのは「ユーザー中心の設計の大切さ」です。
実際に手を動かしたり、人に聞かないと見えないことがたくさんありますね...
デザイナーからのアドバイス、実際のユーザーの声、そういったものを大事にすることで、
初めて「良いプロダクト」に近づいていくんだな、と感じました。
さて、ここからは、いよいよ実装フェーズへ。
次回は、技術的な意思決定や、実装の過程での試行錯誤について、お話しできればと思います。
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