みなさん、こんにちは。
投資戦略システム事業部の劉です。
iOSエンジニアをしています。
今回はプログラミングの知識が不要で、簡単に銘柄監視シートを作る方法を紹介します。
はじめに
以前、Webスクレイピングを使いYahoo!ファイナンスから株式の情報を取っていましたが、システムに過度の負荷がかかるため、Yahoo!に禁止されていました。
そこで、Apple社の無料ソフトNumbersで銘柄監視シートを作りました。必要なものはAppleのパソコン1台のみです。
また、下記の文章に出た銘柄情報、あくまでも私自身の判断であり、投資は自己責任でお願い致します。
銘柄コードの入力
今回は誰でも知っているビックカメラ(3048)を例として解説していきます。
まず、銘柄コードを入力します。ここに注意して欲しいのが銘柄コード3048をそのまま入力すると株式の情報を取得できません。Numbersの株式に関する関数は基本的に全世界の株式を対応しているので、日本株の場合は銘柄コードの後ろに「.T」をつける必要があります。例に戻ると、ここで「3048.T」を入力します。
銘柄名および取引値の取得
続いて、銘柄名および取引値をNumbersの関数で取得します。銘柄コードの右の欄に「=STOCK」を入力し、エンターキーをタップします。そして、[コード]のところに先程入力した「3048.T」を選択し、右の[取引値]をクリックし[名称]に変えます。最後に、一番右の✅ボタンをクリックすると銘柄名を取得できます。
取引値も同じ方法で取れます。
銘柄名については、現在英語の表示しか対応できないため、少々分かりにくいかもしれません。また、取引値はリアルタイムではなく、およそ夜の12時頃更新されます。
年間配当、優待および利回りの計算
年間配当については、NumbersのSTOCK関数で取れますが、数字が実際の会社発表と合わない可能性があります。例えば、STOCK関数で取得したものは20円/1株に対し、2021年1月8日に発表された「2021年8月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」の適時開示に15円/1株と記載されています。関数で取得するか、または自分で入力するかはお任せします。
優待額の取得方法については、色々ありますが、個人的にSBI証券の各銘柄ページの株式優待の欄が分かりやすいと思います。ビックカメラは8月に1000円の優待券1枚、2月に1000円の優待券2枚、合計3000円で、1株に換算すると30円となります。
続いて、年間利回りの計算を行っていきます。計算式はとても簡単で、「(年間配当額+年間優待額) / 取引値」でできます。
目標株価の設定
上記までで、株式の基本状況を取得しました。これから、目標株価などの設定を行います。年間利回り4%でビックカメラの株をゲットしたいので、ここで目標利回りを4%と設定します。目標株価は「(年間配当額+年間優待額) / 4%」で算出できます。最後に、目標株価までのパーセンテージを「(取引値-目標株価) / 目標株価」で算出します。
ハイライトの設定
なぜ目標までのパーセンテージにハイライトを設定するかというと、株式の項目が増えるにつれ、目標株価に到達する株式のチェックが難しくなるからです。ここでは10%より小さくなるとセルを[レッド塗りつぶし]にします。
例えば、株価が1200円になる際、自動的にハイライトしてくれるので大変分かりやすくなります。
その他
いつ優待を取得できるかも把握したいので、メモとして権利付き月を記入しました。
また、株式の買い判断は利回りだけでなく、業績および財務状況も見ておかないといけないのでシートに入れました。※業績および財務状況の考え方は人によってそれぞれなので各自で判断お願い致します。
これで完成です!
まとめ
プログラミングを全く分からない人でも簡単に株式の監視リストを作る方法を紹介しました。
今回は優待株の例をあげましたが、実はNumbersのSTOCK関数は非常に優秀で、私は時価総額、出来高、EPSと株価収益率などの値を使用して、成長株およびバリュー株を探しています。
みなさんも自分のオリジナル株式監視シートを作ってみてはいかがでしょうか。