AIと3Dモデリングソフトを使ったモダンなXR・3Dゲーム開発について

本投稿は TECOTEC Advent Calendar 2024 の7日目の記事です。 次世代デジタル基盤開発事業部の佐光です。普段はエンジニアとしてアプリのフロントエンド開発を行なっています。

はじめに

現代のゲーム開発は、XR(拡張現実)や3D技術の進化とともに大きな変化を遂げています。その中でもAI技術と3Dモデリングソフトの活用が、XRや3Dゲーム開発における新たな可能性を広げています。ゲーム業界にもその波が来ており、商用利用の際の著作権には十分な配慮が必要なものの、無視ができない状況になっています。 この記事では、AIと3Dモデリングソフトを使ったモダンなXR・3Dゲーム開発について、具体的な技術や利点、今後の展望について紹介します。

AIの力で進化する3Dゲーム開発

AI技術は、ゲーム開発においてさまざまな場面で活用されています。特にXRや3Dゲームの制作において、AIは次のような形で大きな役割を果たしています。

  • 自動モデリングとプロシージャル生成:AIを使って、環境やキャラクターの3Dモデルを自動生成することで、開発者の作業を大幅に効率化できます。例えば、AIにより岩や木、建物などのプロシージャル生成が可能となり、広大なオープンワールドの制作を短期間で行えるようになりました。Meshy(https://www.meshy.ai/)やTripo3D(https://www.tripo3d.ai/)などのAI Webサービスを活用することで、これまで全て人力で行っていた作業が驚くほど簡単に素早く行えるようになっています。

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  • リギングとアニメーションの自動化:AIを使ってキャラクターにボーンを設定し、アニメーションを自動生成する技術も進んでいます。これにより、手作業でのリギング作業の負担が減り、より複雑な動きを持つキャラクターも効率的に作ることが可能です。

  • インタラクションの強化:XR体験においては、ユーザーとのインタラクションが重要です。AIを活用することで、ユーザーの動きや視線に応じたリアルタイムな反応を生成し、より没入感のある体験を提供することができます。

3DモデリングソフトとAIの連携

old style work
かつてはMayaやblender、ZBrushといった3Dモデリングソフトを使用し、人力で細かくモデリングを行うため、膨大な時間と開発費が必要でした。しかし、2023年頃からAI技術の発達により、AIと人力を組み合わせることで、XRコンテンツや3Dゲームを効率よく、かつ低コストで制作することが可能になりました。

例えば、BlenderやAutodesk Mayaなどの主要な3Dモデリングツールには、AIプラグインが導入され、以下のような利点が得られています。

  • スマート補完機能:モデルの一部を選択するだけで、AIが他の部分を補完してくれる機能は、アーティストの作業時間を短縮し、複雑なモデルの制作を容易にします。

  • 自動最適化:高解像度のモデルをゲームエンジン用に最適化する作業は非常に時間がかかりますが、AIによってモデルのポリゴン数を自動的に調整し、性能に影響を与えない形で最適化できます。

UnityとUnreal Engineの目覚ましい発展

ゲーム開発の世界では、UnityとUnreal Engineの進化も見逃せません。これらのエンジンは、XRや3Dゲーム開発のための強力なツールを提供し、その機能は年々目覚ましい進化を遂げています。

  • Unity:Unityは、その柔軟性と使いやすさから、多くの開発者に支持されています。特にリアルタイムレンダリングやプロトタイピングに強く、AI技術との連携が容易であり、XRコンテンツの制作にも適しています。Unityのエコシステムには、さまざまなAIツールやアセットが用意されており、これらを組み合わせることで開発のスピードを加速させることができます。

  • Unreal Engine:一方、Unreal Engineはそのリアリスティックなグラフィックスと強力なレンダリング機能で知られています。特に最新バージョンのUnreal Engine 5では、NaniteやLumenといった新しい技術が導入され、これまで以上にリアルなビジュアルを効率的に生成できるようになりました。これにより、開発者はリアルタイムに近いクオリティで映像制作を行うことが可能になり、XR体験の質も大幅に向上しています。

UnityとUnreal Engineの発展は、AIと3Dモデリングソフトの活用と相まって、ゲーム開発者がこれまでにない新しい体験を生み出すための重要な基盤となっています。

XR・3Dゲーム開発における未来の可能性

future work style
AIと3Dモデリング技術の融合は、XR・3Dゲーム開発における未来に大きな影響を与えています。例えば、メタバースのような大規模な仮想世界を構築する際、AIは膨大な数のオブジェクトやキャラクターを効率的に生成し、リアルタイムに適応させることが可能です。これにより、開発者はより創造的な部分に集中できるようになり、ユーザーにとってもより豊かな体験が提供されます。

また、AIによるユーザー行動の学習により、プレイヤーの好みに応じたコンテンツの自動生成や、プレイヤーごとのパーソナライズされた体験の提供が可能になるでしょう。これにより、XR・3Dゲームの持つ可能性がさらに広がり、ゲーム体験はますますユニークで没入感のあるものとなります。

まとめ

AIと3Dモデリングソフトの進化は、XR・3Dゲーム開発における可能性を大きく広げています。 かつては多額の開発費をかけて行っていた作業も、AIと人力を賢く組み合わせることで驚くほど簡単に、かつ効率的に行えるようになっています。さらに、UnityやUnreal Engineといった強力なゲームエンジンの発展により、開発者はより多くの時間をクリエイティブな部分に費やすことができ、プレイヤーにとってもより魅力的な体験が提供されるでしょう。これからも、AIと3D技術の進化がどのようにゲーム開発に影響を与えていくのか、非常に楽しみです。今後著作権には十分に配慮しつつAIの恩恵を受けて3Dコンテンツを開発していきたいと思う次第です。最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

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