月刊Web3.0注目トピック~2023年12月編~

はじめに

こんにちは。次世代デジタル基盤開発事業部の鈴木康男です。エンジニア・PMとして、Web3.0に関わるプロジェクトを担当しております。

「月刊Web3.0注目トピック」では、毎月Web3.0関連で気になったトピックを取り上げて紹介していきます。

※2023年の1年間通してのトピック大総括は、過去記事をぜひご覧ください。 tec.tecotec.co.jp

1. 分散型Nintendoを掲げるTreasure DAO~分散型ゲームプラットフォームに注目が集まる~

「Treasure DAO」は、トークンを用いたWeb3.0ゲームを構築、公開するためプラットフォームを開発者に提供する組織です。 元々は2021年にNFTプロジェクトとして発足し、次第に分散型ゲームプラットフォームの構築を目指す組織としてリブランディングしました。 彼らは「分散型Nintendo」をキャッチコピーとして掲げています。 ゲーム開発者が中央集権的なゲームプラットフォームに搾取される現状から脱却し、 分散型のプラットフォームによって開発者とユーザーが直接的に結びつき、開発者が利益を得られるようなエコシステムを目指しています。

分散型ゲームプラットフォームでは、複数のゲームに対し共通のトークンを用いることで、トークンを軸としたエコシステムが形成できる可能性があります。 現在は11のゲームが公開されています。 ゲームプレイヤーへの認知はまだまだな段階ではありますが、Web3.0ゲームの目指すあり方として、期待が持てます。

関連して、人気のDeFiであるPancakeSwapも、ゲーミングマーケットプレイスを発表しています。

medium.com

2. ThirdwebによりOpenZeppelinの脆弱性が報告される

ERC2771というメタトランザクションの規格と、Multicallが併用される場合に、悪意のある人が署名者に成りすますことができてしまうという脆弱性でした。 Thirdwebは、ノーコードでスマートコントラクト開発ができるツールを提供しています。 Thirdwebが利用しているライブラリ(OpenZeppelin)の脆弱性が原因でしたが、Thirdwebが率先して迅速な情報周知やサポート対応を行っており、企業として素晴らしい対応に思いました。

zenn.dev

3. ハードウェアウォレット「Ledger」のツールに悪意のあるコードが挿入される

ウェブサイトをLedgerのウォレットに接続するためのJavaScriptライブラリである、「Ledger Connect Kit」に悪意のあるコードが挿入され、ハッキング被害も起こりました。

Ledgerの元従業員がフィッシングの被害に遭い、githubのライブラリに不正なコードを含むバージョンを入れられてしまったのが原因とのことです。

ハードウェアウォレットや関連するソフトウェアが優れていたとしても、元従業員のアカウント管理の不備等が仇となり、重大事故が起きてしまうという事例ですね。企業にとってのセキュリティ周りの地道な管理の重要性を再認識します。

nft-news-japan.jp

4. ウォレットアドレスのリカバリをEメールアドレスで行える「ZK-Email」

Argentなどのコントラクトウォレットの普及によって、ウォレットアドレスのリカバリを、複数のガーディアンと呼ぶ他ウォレットによって行うことができるようになりました。 しかし、ガーディアンは、オンチェーンのアカウントである必要があります。 信頼できる他人をガーディアンに指定したい時に、その他人がウォレットアドレスを保有している必要がありました。

ZK-Emailの技術を使うと、Eメールアドレスさえあれば、ガーディアンの役割を担うことができるようになります。

Eメールのような誰もが保持する手段を起点にブロックチェーンに接続できることで、ますますブロックチェーンのマスアダプションが進むことが期待できます。

diveintocrypto.xyz

5. 中国、NFTやdAppsの開発を推進へ

暗号資産は取り締まるけど、ブロックチェーン技術自体は推進するという方針とのことです。 アジア圏の国々同士で、健全な技術競争と協力が進めていければと思います。 韓国でもWeb3.0への注目が増しており、2024年はアジア圏からトレンドが生まれてくる流れを期待してしまいます。

coinpost.jp

2023年12月編として今回取り上げたトピックは以上です! 次回もぜひご一読ください。

テコテックの採用活動について

テコテックでは新卒採用、中途採用共に積極的に募集をしています。 採用サイトにて会社の雰囲気や福利厚生、募集内容をご確認いただけます。 ご興味を持っていただけましたら是非ご覧ください。

www.tecotec.co.jp