こんにちは!決済認証システム開発事業部の冨永です。
普段はiOSアプリ開発を中心に開発しています。 さて、今回は輪読会のおすすめの運用方法の話になります。
というのも、実はテコテックは輪読会が盛んで毎週必ず何かしらの輪読会が立ち上がっています。
冨永も入社してからは
- Human Interface Guideline 輪読会
- PMBOK 輪読会
- Material Design 輪読会
- ドメイン駆動設計輪読会
- 大規模言語モデル 輪読会
- 単体テストの考え方/使い方 輪読会
- リーダブルコード 輪読会
- Webを支える技術 輪読会
- 達人に学ぶDB設計 輪読会
等々数々の輪読会を企画、参加してきました。
輪読会を複数回開いた知見を元に、こういう運用だと回るかもというのを本ブログ記事にまとめました。
これから輪読会を社内で運用したいという方への参考になればと思います。
テコテックの新卒輪読会に関する記事もあるのでよかったらです!
新卒新入社員による輪読会の様子をご紹介します|株式会社テコテック 採用サイト
目次
輪読会を始めたきっかけ
そもそもは僕は本を読むのが得意ではありません。
本を5秒読んだらtiktokで1時間潰す人間です。
そんな自分が輪読会を開いたのは、
「この本を読んだほうがいいのはわかるけど、読むのだるいから」
というのがきっかけになります。
実際に輪読会を開いてみると、分厚い技術書も3~4ヶ月ほどかけて読了でき、
怠惰な自分でも自信がつきました。
輪読会のメリットは?
輪読会を開くメリットは挙げると以下になります。
- 難しめの技術本を最後まで読み切れる
- 他の人の思考を通した意見や噛み砕いた解説が聞ける
- 他の人の経験も踏まえた話が聞ける
- 人の過去の経験も踏まえた生きた知識が聞ける
- さすがに会話するためには読まざるをえないので読むようになる
- ファシリテーション能力が身に付く(新卒の育成によい!)
- 議事録スキルが身に付く(新卒の育成によい!)
- 他部署の人とも仲良くなる
- 業務の息抜きになる
- チームメンバーの共通知識になり会話がスムーズになる
当初は輪読会のメリットは正直、本を読み切れるようになることくらいにしか考えていませんでした。
しかし、進めていくと、本を一人だけで読んでいたら気づかなかったさまざまな視点に気づいたり、
輪読会を通して仲良くなったメンバーとはその後も飲みにいけたりと、
社内の交流が一番大きなメリットだなと感じました。(本当にマジで。)
だから、自分の輪読会のスタイルとしては本を読むこと以上にディスカッションに時間を割くように意識しています。
輪読会の進め方
基本的にテコテックの輪読会のスタイルとしては、業務の障害になってはいけないので、
無理をしないで進められるスタイル
というのを意識しています。
では、弊社がやっている輪読会の進め方について紹介したいと思います。
読みたい本を読む
まずは、企画者が読みたい本をAmazonでポチります。
そして、積み上げておいて寝かせて熟成させます。(というのは嘘です。)
とりあえず、読みたい本があればOKです。
ただし、最初に無理に読みたい本を見つける必要も全然なく、輪読会メンバーを募った後に
「どんな本にしようか」というのもアリです!
例えば「ドメイン駆動設計に関する輪読会をしたい!」と言って募集をして、
その後メンバーで集まって本を選ぶというのもいいと思います!
ただ、個人的には企画者が読みたい本を最初に選んでおくのがいいのかなという気がしています。
というのも、メンバーで相談すると、どうしても「無理をしない」方向に舵を切りがちで、内容が薄い本が選ばれたりしがちだからです。
あとは、多数派を尊重してそこまで興味がない本に行き着いてしまったり。。。。と。
元々の熱量が企画者の「この本を読みたいな〜」だったら、最初から「この本の輪読会!」という形の方が自分の熱量も続くし、全員ハッピーなのかな〜なんて思ったりします。
一緒に読みたい人を探す
次に輪読会の参加者の募集です。
募集をかける前に、周りの人や"この人の読んだ感想が気になる!"という人には事前に相談するとよいです。
周りの人に相談することで、読みたい本の輪読会のニーズがどこまであるのかが知れたりします。
(まぁ2人参加者がいればいいやって冨永は考えているので正直、そこまでニーズは気にしていないです。)
あとは"この人の読んだ感想が気になる!"という人には事前に声をかけておくと、その人の輪読会参加率が高くなる気がします。
正直、輪読会は多いと15人以上が参加するときもありますが、少ないと2人もざらにあります。
そのときに、「参加人数少なくても、この人の意見が聞ければいいや」って思える人がいると輪読会を続けるモチベーションにもなります。
あとはそういう人の業務都合との調整もできるので、
「一番参加してほしい〇〇さんは今月忙しそうだから、来月開催にしよう」
という判断もできます。
参加者の募集
というところで本と絶対参加して欲しいメンバーへの裏どりができたところで、募集をかけます。
弊社では#輪読会チャンネルなるものがあり、Slackのワークフローを使って募集を投稿します。
気になった輪読会があればスタンプを押して参加の意思表示をします。
フォームの内容はこんな感じです。
フォーム入力後は以下のような投稿になります。
事前に裏をとっていればスタンプが0ということはないですが、
スタンプが少なくても、「最悪自分含めて2人いればOK」というスタンスでいるといいと思います。(気持ち的に笑)
時期によっては忙しい時期もあるので、時期をずらして再度投稿するとめちゃめちゃ人が集まったということもあります。
また、この段階でもし輪読会の進め方でやりたい方法があれば伝えておきます。
キックオフの予定を調整する
ある程度メンバーが集まって来たな〜と思うタイミングで、顔合わせのためのキックオフの予定を調整します。
ちなみにコツとして、メンバー全員が1週間、2週間先も変わらず空いている曜日・日時を探してキックオフの日に設定するとよいです。
そうすると、キックオフの際に輪読会の日程調整をするのですが、
「もう今日のキックオフの曜日と日時でいいすか?」→「OKです。」
となり、調整が楽なためです。
とはいえ後述しますが、輪読会は朝やっても昼やっても夕方やっても夜やってもそれぞれにメリットがあるので、
キックオフの日と輪読会の曜日・日時はバラバラで全然いいのでそこまで調整頑張らなくてもいいです。
キックオフ準備
本の内容が決まっていない場合は、 事前に候補になりそうな本を手元に揃えておいた方がキックオフがスムーズになります。
キックオフ
ここでやることは以下になります。
- 顔合わせ・自己紹介
- 読む本の内容の決定
- 輪読会の進め方の決定
- 次回読む本の範囲の決定
- 必要なタスクの分担
- 輪読会前に感想スレッドのスケジューリング設定
- GoogleDriveに輪読会ディレクトリの作成
- 議事録の叩き台の作成
- 議事録担当・ファシリテーター担当のローテ表の作成(なくてもよい)
- 次回の日程調整(できれば)
顔合わせ・自己紹介
顔合わせ・自己紹介はとても重要です。
そもそも輪読会のメリットの"交流"を最大限に生かすために「所属」「普段の業務内容」「過去の業務経験」の他に、
「趣味・最近ハマっていること」などアイスブレイクになりそうな内容は必ず含めた方がいいです。
ここで和気藹々とした雰囲気を作っておくことで、途中「実は輪読会の進め方を変えたいんだけど」みたいな意見も出やすくなります。
読む本の内容の決定
全員と話し合って、どの本にするかを決めます。
読む本が決まっていない場合は相談します。
ただ多数決・相談ベースにすると、「無理をしない」力学が働いて、内容が薄い本になりがちなので注意です。
その分野の専門家がオススメした本であれば、読んでみるのも学びになるのでいいと思います!
ただ、どうしても企画者が「この本を読みたいんだぁ!」ってのがあれば、それを通した方がいいかなと思います。
輪読会には決定者がいないので最後は企画者が決めることになります。
たまに企画者が新人の場合に「俺が決めていいのかな」ってなりがちですが
決めちゃっていいんですっっ!(だって決める人がいないんだから。)
最終的にはメンバー全員で、事前にこの本を読むことで同意でいいです〜?と最終確認をとります。
輪読会の進め方の決定
現在のテコテックでは以下のスタイルに落ち着いています。
- 事前に本の決められた範囲を読んでおく(目安20ページくらい)
- 事前にSlackの本の感想スレッドに各自感想を投稿
- 輪読会は30分に設定し、最初の3分間は読んだ本の振り返り時間にする(なくてもいい)
- 一人づつ感想を言う・余った時間でフリートーク
という形になります。
このスタイルになった理由は後述しますが、
進め方について全員から同意を得ます。
次回読む本の範囲の決定
読む本の範囲を決める際のポイントとしては、
- 初回は無理しない
- 輪読会直前の30分~1時間でギリ読める文量
- 20ページくらいがちょうどよい
- 範囲を分割しすぎて半年以上かかりそうなら注意
になります。
初回はモチベーションが高いので、ページ数をつい多くしがちですが、
初回に輪読会が辛いと感じると、参加者が減っていくので初回のみページ数は控えめがおすすめです。
輪読会参加のハードルを下げる目的で、輪読会開始30分~1時間でギリ読める分量(大体20ページくらい?)がちょうどよいのかなという所感です。
輪読会の予定の期間が半年を過ぎる場合はモチベが下がるので注意です。
必要なタスクの分担
これまで述べてきた輪読会を進めるにあたり必要なタスクと担当者を割り当てます。
- 輪読会前に感想スレッドのスケジューリング設定
- GoogleDriveに輪読会ディレクトリの作成
- 議事録の叩き台の作成
- 議事録担当・ファシリテーター担当のローテ表の作成(なくてもよい)
次回の日程調整
もし、時間がない場合は、企画者が調整して独断で決めてしまってもいいかなと思います。
どの時間帯でもそれぞれメリットはあります。
- 始業前の30分の場合
- 輪読会の終わり時間が決まっているので、メリハリのある輪読会になる
- 昼の場合
- 昼飯食べながらできるので、時間を節約できる
- 夕方の場合
- 集中力が切れた時間に設定すると、リフレッシュできる
- 終業直前の30分の場合
- 多少時間を過ぎてもいいので、じっくり話せる
事前に本の決められた範囲を読んでおく
キックオフが終わったら、早速読んでいきます。
事前に読んでおくスタイルをとったのは、読むスピードが人によって差があるからです。
輪読会によっては輪読会当日に回し読みをするスタイルがありますが、
読む時間に時間を割いてしまうと、一番重要なディスカッションの時間が少なくなってしまいます。
また、輪読会によっては担当の人がまとめた資料を作るというスタイルもありますが、
基本、輪読会参加者は業務で忙しい中で時間を作り輪読会に参加しているので、資料作成のコストがかかると参加がしづらくなるので避けました。
(担当制にしちゃうと他の人絶対読まないでしょ。僕は読まないです。)
事前にSlackの本の感想スレッドに各自感想を投稿
これは最近輪読会仲間が提唱してくれて、やり始めたことですが、めちゃめちゃ効果が高かったです。
輪読会の2日前くらいに全輪読会共通の#輪読会チャンネルにリマインダーで感想募集の投稿を設定します。
そして、事前に感想を投稿してもらうようにします。
こうすることで、「あ、読まなきゃ」と焦りが生まれると同時に、
「こういうディスカッションがしたいな」「同じ意見だ〜」「こう考えるんだ〜」と事前に知ることができて、
当日のディスカッションが深いものになるためです。
あとは輪読会当日に話し足りない時の場としても機能します。
輪読会当日
ファシリテータの合図とともに進めます。 輪読会中は議事録を表示しながら進めます。
基本的な進め方は以下になります。
- 本の振り返り時間
- 一人一人の感想タイム
- フリータイム
- 次回読む本の範囲・日付の決定
輪読会は30分に設定し、最初の3分間は読んだ本の振り返り時間にする
元々は忙しくて一切読めていない人のための救済措置、読んだ内容を思い出すための時間として最初の3分間は振り返りの時間としていました。
ただ、最近は事前に読んできている+読んだ内容も覚えているパターンが多いので、振り返りの時間を設けることは少ないです。
一人づつ感想を言う・フリータイム
これはファシリテーターが一人一人に感想を振るスタイルです。
各自自由に感想を言ってくださいというスタイルだと、リモートだと発言がしにくかったり、
一生懸命に感想を述べるあまり、一人の人が長く喋っちゃうということも往々にして発生するからです。
輪読会参加者が多い場合は、事前に「今日は参加者が多いので一人2分目安でお願いします。」と伝えるとよいです。
一人の人の発話時間が長い場合はファシリテータが頑張って止めてください。
ただし、語りたい人は余った時間をフリートークにし語ってもらいます。(それでも語りたい人は感想スレッドに投稿する)
議事録について
議事録は日付ごとにファイルを分けるのではなく1ファイルに議事録を随時付け足していくほうが、
振り返りやすく、見やすいかと思います。
まとめ
というところまで、輪読会の進め方についてまとめました。
少しでも参考になれば幸いです。
ではでは、良い輪読会ライフをです!
【番外】本の内容が薄すぎてあんま面白くないなって思った場合
しれっと輪読会を抜けるのアリです。(無理ない範囲というのが大切なので!)
ただし、自分の場合は似た本の難しめの本を複数冊買っておいて同時に読んだり、本の内容をさらに自分で深掘りして調べたりしています。
そうすると、ハマらないなと思う本でも楽しく輪読会に参加できるかと思います。
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