こんにちは。はじめまして。 次世代デジタル基盤開発事業部の六本木です。
2021年はNFT元年といっても過言ではないほど様々なNFTニュースがありました。個人的には「世はまさに、大NFT時代!」と叫びたくなるほどでした。
本稿では、群雄割拠の様相となっているNFT界隈まとめ紹介の第一弾として、国内主要マーケットプレイス18選をご紹介します。
対象読者
・NFTという単語がわかる方 ・国内主要マーケットプレイスを知りたい方 ・NFTをご自身のビジネスに活かしたい方
目次
- 対象読者
- 目次
- 2021年はNFT元年
- 国内NFTマーケットプレイス
- まとめ
2021年はNFT元年
2017年の後半、暗号資産*1ブーム, ICOブームがありました。 その後一旦落ち着いたものの、2020年後半~2021年にかけて再燃し、 特にDeFiやNFTといった言葉が注目を集めるようになりました。
下記はGoogleで今年「NFT」が検索されたグラフです。
グラフを見てわかる通り、2021年に入ってから検索数がぐっと右肩上がりになっています。
NFTは依然海外での盛り上がりが先行していますが、国内でも様々なサービスが立ち上がり、様々な企業が参入しつつあります。
NFTは現時点まだ成熟したものではないので、今どのようなサービスがありどのような事例があるか知っておくことで、今後新たなビジネスチャンスに巡り合える可能性が高くなるのではないでしょうか。
今回は国内の主要マーケットプレイスについて紹介し、次回、第二弾としてNFT活用事例と主要プレイヤーについてご紹介する予定です。
では長くなりましたが、早速紹介していきたいと思います。
国内NFTマーケットプレイス
海外ではOpenSeaやRaribleなどが有名ですが、国内にもマーケットプレイスはたくさんあります。現時点*2主要なマーケットプレイスは下記です。
1. Coincheck NFT(β版)
コインチェック株式会社が運営しています。
カードゲーム「CryptoSpells」のカード、メタバースゲーム「The Sandbox」内の土地「LAND」、SKE48のNFTトレカ、ブロックチェーンサッカーゲーム「Sorare」のカードなどが出品されています。
また最近では株式会社CyberZと協業し、エンターテインメント分野のNFT活用促進を行う予定です。
提携会社
- CryptoGames株式会社
- 株式会社coinbook
- Sorare社
- 株式会社CyberZ
など
2. miime
コインチェックテクノロジーズ株式会社*3が運営しています。
現時点12タイトルのNFTを取り扱っています。上記Coincheck NFTと連携しており、扱っているタイトルも一部同じです。
3. nanakusa
SBINFT株式会社が運営しています*4。
公認アーティストが発行したNFT、パートナー事業者のNFTを取り扱いしています。
Etherのほか、Polygonチェーンの通貨Maticでの取引が可能です*5。
4. Adam byGMO
GMOアダム株式会社が運営しています。
現時点、YouTuber・ヒカルさんのコンテンツをはじめ様々なコンテンツ計1192点の出品・販売が行われています。
Etherのほか日本円での購入も可能です。決済手段もクレジットカード・銀行振込など幅広いです。
二次販売があった場合、クリエイターにロイヤリティ還元される仕組みがあります。
またNFT保有者限定コンテンツを提供していたり、さらに今後も様々な機能が追加される予定です*6。
5. NFTStudio
ブロックチェーンゲーム「CryptoSpells」を開発したCryptoGames株式会社*7が運営しています。
出品者はNFTStudioの審査を経た公認クリエイターなので、安心して購入することができます。
取り扱い通貨として、PolygonチェーンでのMatic, LINE BlockchainでのLINKを採用しており、販売・購入時の手数料が安く抑えられています。
暗号資産ウォレットによるログインのほか、SNSでのログインも可能です。またクレジットカードでの購入も可能で、暗号資産に馴染みのない方でも購入できるよう工夫されています。
6. LINE BITMAX Wallet, NFTマーケットβ
スマホベースのマーケットプレイスです。
国内で最もシェア率の高いメッセージングアプリ「LINE」を提供するLINE株式会社の関連会社LVC株式会社が運営しています。
通貨はLINE BlockchainのLINKで、ネットワーク手数料無料で利用できます。
LINE公式NFTのほか、ももいろクローバーZのトレカなどが出品されています。出品要件に適合していればエンドユーザが出品することも可能なようです。
最近ではスクウェア・エニックス、初のNFT事業 デジタルシール「資産性ミリオンアーサー」が本マーケットプレイス上で取り扱い予定とのことで、そのキャンペーンとして、LINE公式アカウントに友だち登録したユーザーに、最大総数約100万枚のNFTを配布するキャンペーンも実施しました*8。
さらにブロックチェーンゲーム関連事業を行うアクセルマーク株式会社とスポーツ関連事業に特化したゲーム開発を行う株式会社OneSports が共同開発中のゲームにおいて、株式会社Jリーグとライセンス契約を結んだとのニュースもあり、その選手NFTの出品先を本マーケットプレイスとする予定です*9。
提携会社
- スクウェア・エニックス
- 株式会社OneSports
- アクセルマーク株式会社
- 株式会社Jリーグ
など
7. Buynet
株式会社サンシェアが運営しています。
アート、イラストではなく、無形資産の既存収益権利や所有権に着目したマーケットプレイスで、具体的にはSNSインフルエンサーの会員権がNFT化しており、購入すると半永久的に、購入者の保有する商品をSNS拡散してくれるという構想のようです。
支払方法としては、Ether、USDT(ERC20)、BTC、Matic、銀行振込(日本円)・クレジットカードなどに対応しています。
8. ユニマ(Uniqys マーケットプレイス)
prtimes.jp 公式サイト:https://market.uniqys.net/
株式会社ビットファクトリーが運営しています。
NFTの購入・アーティストへの売上還元等決済は日本円で行われます。暗号資産の購入をせずに、NFTの販売・購入が可能です。
またすべてオークション形式での購入となっております。
出品されている作品には、位置情報連動型ゲーム「駅メモ! Our Rails」内デジタルアセット「ステーションNFT」や 株式会社CHET Group提供の「いがらしゆみこの世界(デジタル原画+商品化権利)」、「Buzz Magician Shin(本人との共演・コラボ権)」 、その他数名の個人アーティストによるものがあります。
貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」とのコラボで初回ファンド提供を実施したというニュースもありました。
提携会社
- 株式会社モバイルファクトリー
- ファンズ株式会社
- 株式会社CHET Group
など
9. ANIFTY
ANIFTY合同会社が運営しています。
二次元イラストとキャラクターを専門に扱うNFTプラットフォームです。
アニメアートやキャラクター業界の中央集権的な業態を刷新することをミッションに立ち上げられたプラットフォームで、 本プラットフォームにより、著作権問題の解決、ファンによる消費を直接アーティストに還元する仕組みを提供しています。
公認絵師のみ出品可能で、一般ユーザは購入するのみです。
10. NCOMIX
株式会社リードエッジコンサルティングが運営しています。
漫画家やイラストレーターなどのクリエイターがリアルに創作した作品に紐づくNFTが出品されています。
作品の制作過程はすべて動画公開されるほか、デジタルな権利の所有・再販と、実際のモノを受け取って所有が可能です。
このようなリアルなモノと引き換えられるNFTを通称Redeemable NFT(rNFT)といいます。
販売はすべてオークション形式で、Polygonネットワーク(Matic)を採用していますが、クレジットカードによる購入も可能です。
数名のアーティスト作品が出品されていますが、浜田ブリトニーさんの作品が出品されていることで話題のようです。
11. PolkaFantasy
Fantasy Tech Incが運営する日本の二次元文化に特化したNFTマーケットプレイス&ブロックチェーンゲームです。
NFTマーケットプレイス、NFTを作成・閲覧・共有できるほか、複数チェーンでNFTをステーキングできます。
ベースとなっている通貨は、独自トークンXPですが、クロスチェーン技術によりEther, Pokadotでの取引可能で、今後順次チェーンを拡大予定です。
12. Digitama
ZAIKO株式会社が運営しています。
本プラットフォームを使うと、ファンはブロックチェーンを通じ所有者としてアーティストやアスリートの歴史に永遠に自分の名前を刻むことができます。
マーチャンダイズ付きや投げ銭機能など自由度の高いNFT設定が可能な仕様となっており、ファンとアーティスト(アスリート)との間に強い繋がりを作ることが可能です。
最近ではアメフトXリーグ オービックシーガルズ所属バイロン・ビーティ―Jr.選手のNFTが発行・販売されました。
提携会社
- アメフトXリーグ オービックシーガルズ
13. Mosaic Nation
株式会社ギークピクチュアズのIPコンテンツ事業部門ギークワンダーズが運営しています。
国内外のアーティストによるハイクオリティな作品が出品されており、デジタル作品と実物作品のセット出品・販売・購入が可能、またOpenSea等他プラットフォームをまたいでの出品・販売・購入が可能といった特徴があります。
第1弾として、米国やインド、欧州の富裕層を中心に数百万単位で作品が取引されるインドの現代アーティスト「Shilo Shiv Suleman」のNFTアートを販売しています。
提携会社
- 株式会社クオン(NFT事業サポート)
- 株式会社レシカ(開発)
など
14. XANALIA
仮想空間「XANA」を開発したNOBORDER.zが手掛けています。
ただ運営は、非中央集権的に実施されており、スマートコントラクトによってブロックチェーン上で可視化されながら永続的に存続する新しい仕組みを採用しています。ブロックチェーンはBincance Smart Chain, Polygonで、独自通貨ALIAを用いて購入します。
このプラットフォーム上で扱われるNFTは、AR・VRゲーミフィケーションを見据えた設計がされており「XANA」での使用も想定されています。
日本マーケティングリサーチ機構によると、本プラットフォームは「期待のNFTマーケットプレイス No.1」「2021年最も成長すると思うブロックチェーンプロジェクト No.1」「価格の上昇を期待しているDeFiプロジェクト No.1」を獲得しています。
15. HABET
YouTuber関係のレーベル会社として知られるUUUM株式会社のグループ会社FORO 株式会社が運営しています。
YouTuberをはじめとした幅広いジャンルの人物やキャラクターのトレカを発行・売買・閲覧することができます。
販売方法としては定額販売、抽選販売、オークション販売を予定しています。
株式会社 IndieSquareが開発したブロックチェーン「HAZAMA」が基盤となっています。
また「Yahoo!ネット募金」と連携し、HABET のプラットフォーム手数料の一部を寄付しています。 HABET を利用することで環境、社会への貢献にも繋がります。
提携会社
- UUUM株式会社
- ヤフー株式会社
- 株式会社 IndieSquare
- 吉本興業株式会社
- 株式会社美少女図鑑
- 株式会社電通
- 株式会社 TBS ホールディングス
- CYBERJAPAN DANCERS
- 株式会社アイフリークモバイル
など
16. FanTop
mediado.jp 公式サイト:https://fantop.jp/
株式会社メディアドゥが運営しています。
各コンテンツのファンが、デジタル上の「ファンアイテム」収集・鑑賞、ファン同士の共有・譲渡・売買を行えるNFTマーケットプレイスです。
Dapper Labs社が開発したブロックチェーンFlow上に構築されており、ファンアイテム入手と同時に費用負担なくNFT化することが可能です。
今年3月には株式会社トーハンと提携し、FanTopで発行できる「NFTデジタル特典」を、紙の出版物の特典として全国各地の書店で展開します。
FatTopで販売された北斗の拳NFTが即日完売したことでニュースになりました*10。
提携会社
- 株式会社電通
- 株式会社バンダイナムコアーツ
- 株式会社エディア
- 株式会社コアミックス
- 株式会社日本文芸社
- その他各出版社
など
17. The NFT Records
株式会社クレイオが運営しています*11。
音楽専門のNFTマーケットプレイスで、エイベックス・テクノロジーズ株式会社が提供する基盤「A trust」上に構築されています。
コロナ禍大打撃を受けているクラブカルチャーを支援する目的とした企画「SAVE THE CLUB MUSIC」も行い、都内有名クラブのレジデントDJや、 Daishi Dance等トップDJの作品が出品されています。
提携会社
- エイベックス・テクノロジーズ株式会社
- 株式会社 トゥエンティ・ミュージック
- 株式会社サクラゲート(開発)
など
18. Rakuten NFT
まだ存在しないNFTマーケットプレイスですが、2022年春にローンチするとの情報が出ており、運営会社が大きいのでご紹介します。
こちらは楽天グループ株式会社が運営予定で、様々な分野におけるNFTをエンドユーザが売買するものと、IPホルダーがワンストップでNFT発行・販売できる仕組みを兼ね備えた独自プラットフォームとなる予定です。
決済として楽天IDを用いたり、楽天ポイントとの相互変換可能となったり、楽天経済圏を拡大する形でのNFT業界参入となります。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
NFTマーケットプレイスは大小規模を問わない場合無数に存在し、それぞれが互いに差別化を図りつつ展開している状況です。
同じようなマーケットプレイスは、今後のマーケティング・ブランディング・コンテンツクオリティなどの優劣により、一方が淘汰されていくでしょう。
提供者・ユーザ共に手探り状態なので、今後どれが生き残りどれが消滅していくのか、また生き残った者はどのような進化を遂げていくのか、それは誰にもわかりません。
現状存在しない全く新しいマーケットプレイスが、数日の間に成長し、覇権をとってしまうようなこともあるかもしれません。
それは世間一般層へのNFT認知に従い・また世の中の情勢などが複雑に絡み合った結果、数年後答え合わせができるようなものかもしれません。
次回は、第2弾として、NFT事例のご紹介をする予定です。
そちらもお楽しみに。
*1:当時は仮想通貨という名前が一般的でした。
*2:2021/10
*3:旧メタップス株式会社
*4:2021/9 株式会社スマートアプリから社名変更。
*5:https://www.fisco.co.jp/media/crypto/nanakusa-about/#index_id0
*6:https://www.gmo.jp/news/article/7362/
*7:カスタマイズNFTショップを構築できるNFTStudioOEMも提供しています。
*8:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2110/05/news158.html
*9:https://www.axelmark.co.jp/pr/?itemid=374&dispmid=518
*10:https://news.yahoo.co.jp/articles/ad3eff66b3ed996abe9817df00a73d3a0912b9fc
*11:2021/6 株式会社サクラゲートから一部事業移管